社長のブログ

北海道当別町にある辻野グループの社長ブログです。

 
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三笠を歩く

人というのは自分の関心対象外の情報をなかなか収集することはありません。
ところが何かのきっかけで面白いと思ったりすることがあります。

今回ゴールデンウィークで義理の妹が帰省してきて三笠に行きたいというものですから家族で行ってきました。

なぜ三笠か?というと廃坑を見たいというのが動機でした。
私は旅先で歴史的に価値のある現在も使われている建築物は見ることは時々ありますが、写真集で見るような廃墟を進んでみるという事はありませんでした。
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今回行ってみて、時間の流れの止まらなさ、人間活動のはかなさ、過疎と高齢化と経済的貧しさが漂う集落の現状を実感しました。

すべては石炭に始まり石炭に終わったという感じです。
幌内炭鉱の選炭場。
幌内炭鉱は明治12年に官営で開山。その後、明治22年、北炭に民営化。100年後の平成元年に閉山しました。
当初人力で選別していた木製の選炭場は昭和41年にコンクリート式に変わりました。
閉山して25年くらいでコンクリートはこんなに朽ちてしまうものなんですね。
それにしても廃墟が存在するのは撤去する費用がないくらい経済(あるいは経営)が疲弊していることと同じ意味だと思いました。
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旧幌内炭鉱変電所。
朽ちてはいるもののレンガ建てで瀟洒な建物である。
大正中頃の建物。
石炭を掘るのに電気が使われていましたが、北炭が初めて発電所を作ったのは明治31年、幌内の滝の沢発電所であった。
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中をのぞいてみると意外とキチンと整理されている。建物内に時間と記憶が封じ込められている印象を受ける。
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遠く川向こうに見える坑口神社。
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この辺は幌内炭鉱景観公園であり、散策ができるようになっています。このほか幌内神社もあり、とにかく労働が危険と隣り合わせであった様子がうかがえます。
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今年は豪雪でしたが、いたるところで建物が崩壊していて、ただでさえ厳しい地域の現状に更に厳しい現実が追い打ちをかけているような気がしました。
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ところで平成10年に閉校になった旧幌内中学校はなぜか平成12年にミカサ・モダンアートミュージアムなる施設になっていて、これが結構、面白いのです。入場は無料で管理人は一人だけ。黙って入っても管理人が出てくる気配はありません。
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昨日は体育館で川俣正さん(1953-)という三笠市出身の造形作家の展示が開かれていました。
私も知らなかったのですが川俣さんは日本を代表するアーティストで、現在はフランス国立高等美術大学教授。

建築、都市計画、歴史、医療、社会学、コミュニケーションの多岐にわたるジャンルとアートの融合をはかっています。
作品スタイルは現地・現場で作品を製作する「ワーク・インプログレス」という手法。決まった施設やルールにとらわれず地域の人とともに野外でアートな作品を組み立てる手法です。
今回のこの体育館での展示は2011年から始まった「北海道インプログレス」というプロジェクトの一環です。

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はてさて三笠のドライブは右往左往しつつ続くのですが、今度はアンモナイトを探しに行こう!という事になりました。
そもそも石炭のあるところは化石も採れるという事で、出がけに車に長靴と金槌と採るであろうアンモナイトを入れるバケツを用意していました。
とはいえどこにアンモナイトがあるかどうか全く情報なしに出かけ、地元の人らしき2人にどこに化石があるかを聞いたのですが、わからないとのこと。
がしかし、三笠市立博物館の裏川向うの散策路添いに古い地層があるようなので調査をしました。
本当はは行っちゃいけなかったんでしょうが、雪や土砂崩れで道は完通していなく、おまけに隧道の入り口はこんなになって倒れた木でふさがっていました。

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それでもいくつかそれらしき地層から石を掘り出し家に持ち帰りました。
看板によるとこの辺は約5000万年前の地層と1億年前の地層が混在しているとても興味深いエリアです。明治40年ころには鉱泉浴場「神泉閣」があったそうです。

最後に訪れたのは旧住友奔別炭鉱立坑。
奔別炭山は北海道開拓使によって発見され、明治13年に開坑着手。昭和35年にできた立坑の高さは50.52m。立坑とは垂直坑道のことで、ここでは石炭と資材を平行して昇降させる当時国内初のシステムを採用。その後、昭和46年に閉山した。

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ということで廃坑ツアーは終わったのでした。
廃坑、廃校、廃屋、廃線・・・これだけ一挙に廃の付く物を見たのは初めて。

福永武彦の作品の「廃市」。
この舞台は柳川で、意味は異なるだろうが「廃市」という言葉が思わず思い浮かびました。

「廃」という字がネガティブじゃないと言ったらウソになるのでしょうから、この字を使う事は住人にとって、失礼かもしれません。
その一方で前向きなとらえ方をする人たちの中には産業遺産ツアーを企画したり、建物のコンバージョンを計ったりする運動もあるわけですから、ものは考えようですね。

私たちにとって見どころと発見がいっぱいある三笠でした。
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プロフィール

Shacho

  • Author:Shacho
  • プロフィール
    氏名:辻野 浩
    辻野建設工業(株)他関連会社4社 代表取締役
    生年月日:昭和36年10月29日
    連絡先:0133-23-2408(会社代表)
    住所(会社):北海道石狩郡当別町末広380番地
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