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社長のブログ

北海道当別町にある辻野グループの社長ブログです。

 
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「育てる家の物語」で野菜作り歴10年のご夫婦に聞く

辻野建設工業と堀尾浩建築設計事務所で進めている仮想家づくり「育てる家の物語」の原稿が出来たのでブログにアップします。今回は野菜作りに詳しいご夫婦にアドバイスを受ける場面です。
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八木と堀尾は次のような事を話し合っていた。
堀尾のプランでは車庫上のベランダが菜園になっている。この菜園で本当に野菜が育つのだろうか?あるいは土の重さが構造的に耐えうるのであろうか?
そこで2人はまず、この菜園でどんな作物が栽培可能か、野菜作りに詳しい方の話を聞いてみることにした、そして、辻野建設工業がその菜園計画を元に実物大の菜園模型を作ってくれると言うことなのでお言葉に甘え模擬畑を作ってもらおう!
ということで2人は早速第1段階である野菜づくり歴10年のご夫婦の話を聞くことにした。
その方は辻野建設工業自給自足事業部1号のTさんご夫婦だ。

場所は堀尾の事務所。

堀尾:そもそも野菜を育てるのに土の深さはどのくらいいるもんでしょうか?

Tさん:それは作るものによりますよね。ホウレンソウ、小松菜、水菜、チンゲンサイなど葉物だと浅くても良いですが、果菜、根菜だと土は深くいりますね。トマトなんかは結構深いですね。

堀尾:ホームセンターで売っているプランターぐらいでどうでしょうか?

Tさん:私の長靴くらいの深さが必要と思うのですが、(足もとを差し)このくらいで何㎝くらいですか?

堀尾:(実際にスケールではかってみて)ああ40㎝ですね。
一番そこに砂利の層を考えているのですがどれくらい必要ですか?

Tさん:鉢底くらいの厚みで良いのじゃないでしょうか?実は私も野菜を屋上で作ったことがないのでちょっとネットで調べてみたのですが、屋上用の土って言うのがあるんですね
(といって「ルーフソイル」と言う商品をネットで調べプリントアウトした資料を2人に見せる)。

八木:あっ、そういうのがあるんだ!すごい。

堀尾:実は今、辻野建設工業さんで実物大の模型を作ってくれるという話が出ているんですよ。防水シートを敷いてその上に土を広げる。畳3つ分くらいかな?
ところで水はいるんですか?

Tさん:水持ちの良い土ならさほど水やりは必要ないんでないでしょうか?

堀尾:まず八木さんが何を作りたいかが問題ですよね。

八木:やっぱりジャガイモですかね。作るのが簡単そうですし、出来たものは日持ちするし…

堀尾:ジャガイモならそれなりの深さがいるでしょう?

Tさん:後で土寄せをして土を盛るなら、土は最初はさほど深くてなくても良いかも…。ジャガイモは去年、天候不順で収量が落ちて、今年は種芋の出荷が少ないんですよ。
ジャガイモは雨が続くと弱いんです。それと風通しが良くないといけないと思います。

堀尾:(土の断面を絵に描いて)こんな感じでしょうか?

Tさん:そういえば、我々もジャガイモの本当の深さって知らないんです。というのも新しいイモって言うのは種芋の上に出来るんです。根は種芋の下に張りますが、掘るときは底まで掘らないんで、実際の根の深さはわからないんです。
もしかしたら、輪切りにした袋か何かで上に土を足す方法もあるかも知れません。市民農園のゴボウや長芋でそんなのを見たことがあります。
所詮、家庭菜園ですから本格的な農業と違いちょっとくらい手間がかかっても知れてますからね。その方法だと土の量も減らせるし労力も低減できると思います。

八木:ジャガイモの他にはトウキビがいいかな?観賞用にもなりそうだし…。

Tさん:それは1階ですね。トウキビは倒れないようにしっかりと根を張る深さが必要ですので。

Tさん奥さん:実は私は一階だったらなんとなくイチゴが良いと思いますよ。春に4株ほど植えて秋に増えた茎株を切って増やすことが出来ます。イチゴって観賞用にも良いですし、やや日陰でも育つと思います。

八木:それはいい。家の家族はイチゴが好きだし。肥料はいりますか?

Tさん;ごくごく適当でよいと思いますよ。畝幅は60cm、株間は25~30cmくらいでしょうか?

堀尾:一応、畝はいるのね?

Tさん:一応どんな作物でもある程度の畝は欲しいですね。後、大事なのは風通しですね。
畝は雨で泥がはねて葉が汚れるのを防ぎますから。植物は葉の裏で呼吸をするので、葉の裏が汚れると病気になりやすいです。

堀尾:風通しは建築的に何とか解決できると思います。塀をスリットにするとか。ところでうどん粉病ってどう対処したら良いんでしょうか?葉が白くなるあれです。去年、事務所裏の畑でズッキーニを作ったんですが、全然ならなかったんですよ。一昨年は食べきれないだけ出来たんですが…。

Tさん:うどん粉病は早いうちに葉を取っちゃうのが一番ですよ。葉を取っても作物が全滅することはありません。ズッキーニが育たなかったと言うことですが、窒素過多ではないですか?窒素過多だと葉はおがるけど、実がなりません。窒素過多を調べるには簡単な土壌検査をすると良いと思います。

八木:土壌の窒素分て検査できるんですか?

Tさん:検査キットは結構高いですけどね。

堀尾:実はうちの親父は野菜作りに結構詳しくて何となく指導してもらっているんです。定年してから15年くらいかけて白老で「仙人の森」って言うのを作ってそこでそば打ちしたり、椎茸栽培をやっているんです。今度、白老に来るときは是非寄ってみて下さい!
僕も早いとこ引退してそうなりたいと思っているんです。

八木:ところで壁面利用して野菜って作れないんでしょうか?

Tさん奥さん:カボチャなんてどうでしょうか?どこかで聞いたのですが、ビニールハウスの骨を使ってカボチャを育てているの農家さんがいるそうです。その栽培方法は特許だそうですが、農家でなければ問題と思います。

八木:カボチャは重くないんでしょうか?

Tさん奥さん:坊ちゃんカボチャくらいなら壁面でも大丈夫だと思います。

八木:トマトはどこでやったらよいですか?1階ですか?ベランダですか?

Tさん:上だと思いますよ。やっぱり風通しが必要ですから。

八木:トマトの支柱は土に差すんですか?

Tさん:プランターでトマトを作ったことがあるので、大丈夫だと思います。でも確かあの時は支柱は土に差さずプランターに固定しましたね。

八木:支柱を指す場所を最初に決めてそこに何か建築的にしっかり固定できたら良いですね。ところでトマトは連作障害はあるんですか?

Tさん:ありますね。ナス科は連作出来ませんね。

八木:そうか、それじゃ。ナス(1年目)→枝豆(2年目)→枝豆(3年目)→ナス(4年目)だったらどうです?

Tさん:それなら良いと思います。

堀尾:(ささっと描いたスケッチをみんなに見せながら)支柱のピッチを90cmだとすると、だいたいベランダ菜園のレイアウトはこんな感じでしょうか?

Tさん:私の個人的な意見としては支柱を建物に作り付けると毎年同じ場所に固定されて、自由がきかないような気がします。

堀尾:なんか支柱の代わりに格子状の物に脚をつけて自由に動かせるものがあると良いですよね。

八木:レタスとかキャベツは難しそうですか?

Tさん奥さん:作ること自体は難しくないと思いますが、虫対策ですよね。そういう意味ではキャベツよりレタスの方が虫が付きません。レタスと言えば玉よりリーフレタスの方が芯を残して随時、外から葉を取って食べればよいので玉よりリーフレタスの方が良いと思います。あと、一階にはカブも手軽で良いと思います。あとアスパラとかも。

八木:アスパラは良いですよね。

Tさん奥さん:ただ、アスパラも陽当たりと深さが必要ですよね。

堀尾:(八木とTさんご夫婦が話しているうちに更に詳しいベランダ菜園のスケッチを描いてきて)こんな感じですかぁ~?(そこには、たった今話した格子状の誘引用具のイメージが描かれていた)

Tさん:すごい!今言ったイメージがそのままそっくり絵になってる!私が頭に思い描いたのはまさにこれそのものです!

一同:すごい!さすがですね堀尾さん。

IMG_0460.jpg

八木:ここがトマトでここがジャガイモ、ここはなんですか?

堀尾:それは八木さんが決めて下さい。

八木:じゃ、リーフレタスかな。

Tさん:固定してしまわないで、毎年いろんなものを植えれるのが良いと思いますが。

八木:結局、スペースと深さがあれば何とかなるって事ですね。

Tさん奥さん:日陰でも良いものと言えばミツバですね。

八木:おーっ。ミツバ良いですね。ところでミツバは種ですか?

Tさん:種です。ちょっと発芽が難しいですが毎年なります。あと、やや日陰と言えばハーブですか。バジルはトマト料理に合いますし、ミントは葉を1~2枚ちぎってカップに入れてお湯を注げばミントティーの出来上がり。とても爽やかで癖になると思いますよ。

八木:ところで収穫後の葉と茎は外に出した方がよいですか?

Tさん:トマトはナス科なので収穫後の葉は畑の外に出した方が良いですね。トウキビなど稲科は茎や根を土にスキ込んでもと良いとされていますが…。

八木:それじゃ、1階にコンポストがいりますね。

八木:土は起こしたりした方がよいですか?

Tさん:どのくらいその土が固まるかですよね。あと、作物的には私は枝豆がお薦めです。取れたての枝豆は最高においしいですから。枝豆は鍋のお湯が沸いてから収穫しろと言うくらいですからこの家では最高の風味が味わえると思いますよ。

八木:枝豆は種ですよね。

Tさん奥さん:最近、ホームセンターで芽を出した枝豆が売っているんですよ。それにジャガイモの苗も売っているんです。種から簡単に作れるのを知らない人には売れてるらしいです。
ところで1階の果樹はなんですか?

八木:一応、札幌なんでリンゴかな。家族はブドウも好きなんですが。

Tさん:ブルーベリーとかプルーンも良さそうですね。実は私的には梅が好きなんです。
花と実、両方が楽しめますから。

Tさん奥さん:主人は梅干しを作るんです。最近市販の梅干しは昔と違って甘みを付けていて甘すぎるって言うんです。

Tさん:梅干しはしょっぱくて酸っぱいのが当たり前、無いなら作ろうと思い5年前から作っています。と思うんです。

堀尾:薪ストーブの前で梅割を飲むって言うのもいいですしね。とにかく1階の果樹がリンゴが良いのかブドウが良いのか梅が良いのかは後でじっくり考えましょう。

八木:Tさんの家は出来た作物の保存が大変でしょう?

Tさん:そりゃすごいことになっています。秋にはテーブルの下や玄関、ストッカー2台の中などに保存食がびっしりです。

Tさん奥さん:トマトは湯むきして種を取り軽く絞ってその汁と一緒に冷凍保存します。1食分を冷凍するのがこつです。トウキビは実をほぐし、葉物は堅めに茹でて冷凍保存します。

Tさん:春にはエンドウに始まりホウレンソウや小松菜、そのうちイチゴが取れだしてトマトやナス、きゅうりも。8月には取れたて枝豆でビール!とうきびやジャガイモが取れて秋の寒くなる頃には春菊が取れ鍋物に!う~ん、楽しい家になりそうですね。

堀尾:さて、これで何となく流れが見えてきましたね。Tさん、今日は本当にありがとうございました。今度は是非、
白老に遊びに来て下さい!

八木:ありがとうございました。

ということで、約2時間にわたるTさんご夫婦へのヒアリングが終わった。
詳しすぎるこのご夫婦だが、あくまでも野菜作りは趣味。それでも、もしかしたらシャイな農家さんに聞くよりずっとわかりやすい説明だったと思う。
今後はこの計画菜園を辻野建設工業が本当に模型を作ってくれるのか?作ってくれるとしたら、驚きだ。でも、そういっているのだから、やってくれるのだろう。
そんなことをやるなんて本当に物好きな会社だ。ずいぶん手間をかけた家づくりだが、赤字にならない範囲にとどめて欲しい。
八木の家づくりはまだ発芽前だ。

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ということで今回は野菜作りにとても詳しいTさんご夫婦へのインタビューを行いました。
ここまでやるとどこまでが現実でどこまでが仮想かわからないですね。


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プロフィール

Shacho

  • Author:Shacho
  • プロフィール
    氏名:辻野 浩
    辻野建設工業(株)他関連会社4社 代表取締役
    生年月日:昭和36年10月29日
    連絡先:0133-23-2408(会社代表)
    住所(会社):北海道石狩郡当別町末広380番地
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